多田農園通信2023年9号

多田農園通信2023年8月号
多田農園通信2023年9月号
8月上旬のぶどう畑

8月上旬のぶどう畑です。昨年は、7月に雨が多く、べと病の大発生に苦しめられましたが、この時点で病気の発生も予防で抑えられています。病気を防ぐには予防が一番です。今年も一週間以上、雨が続いたりして病気が発生する環境になってきていましたが、予防が効いているようです。定期的な防除に加えて、今年導入した果樹用の防除機スピードスプレヤーの効果も大きいと思われます。通常、SSという機械は、強烈なファンで防除液をかけるので、病原菌が入りやすい葉の裏側までかかるのが大きな特徴です。T

ぶどうは日焼け

今年のぶどうは日焼けか水分不足かによる縮果と呼ばれる粒が多く散見されます。品種によって出方が違っています。症状を見て頂くため地元の富良野農業改良普及センターの果樹担当桂川さんに来ていただきました。バッカスが多く、次いでシャルドネの一部が多く発生しています。レーズンになったものも見られます。今年の道内の高温障害は多くの作物で発生していると新聞で報道されていました。T

研修で来園

鷹栖町(旭川市の隣町)の農業青年がワイン用ぶどう栽培の研修で来園されました。現在栽培している作物はコメが中心だそうです。農業に従事している方々なので、質問も現実的なことが多く、収入がどのくらい上がるかに強い関心をもっているようでした。一年で収入が上がる作物と比べて5年ほどかかるぶどうを理解するには時間が必要です。T

ピーマン

今年、初めて作ったピーマンです。ししとうを大きくした感じの細めの縦長で、肉質も柔らかく食べやすい品種です。この日は、露地ものをたくさん収穫しました。小学校2年生の孫は、夏休み最終日でしたが、収穫して倉庫で計量して袋詰めを手伝ってくれました。些細なことですが、夏休みの思い出のひとつになったのではと思います。農園には、たくさんの思い出づくりの場所があります。T

とうもろこし

今年のとうもろこしの収穫をお盆前にすることができました。今年の品種は「雪の妖精」などのホワイトコーンです。甘くてジューシーですが、トウモロコシの大敵のアブラムシが多発してしまいました。防除は、早い段階で一回行いましたが、効き目は薄かったようです。収穫して一本、一本、たわしで水洗いし、かなりの労力でした。アブラムシに効果が高いネオニコチノイド系の農薬は、その成分がベトナム戦争時、枯葉剤作戦で使われ奇形児が生まれたことは有名な話です。殺虫剤はネオニコチノイド系をチェックして使用しないようにしています。ホワイトコーンとイエローコーンは500メートル以上離さなければなりません。そうしないと受粉時に混ざってしまい白と黄が混ざり合ったとうもろこしになります。T

農園見学

8月25日、北海道ワインアカデミー高度専門コースの9名の研修生とワインクラスター北海道から3名、山梨大学ワイン科学研究センター奥田教授(副学長)、長野のマンズワインの西畑栽培、醸造責任者など6名が来園されました。ぶどう畑では縮果と呼ばれる高温障害について生理的メカニズムなどが話題に上りました。その後、ワイナリーを見学して研修を無事終えることができました。T

バーベキュー

今年の宿泊者の夕食のバーベキューは土日限定にしておりますが、お客さんは大変満足なようです。今年限りでこの夕食プランは終える予定ですが、惜しむ声も今から聞こえてきます。現在の体制では、継続は困難なため人出などの体制が整えば復活する可能性はあります。朝食もお陰様で大変、好評ですので、継続していく予定です。T

工場見学で来園

8月29日、中富良野町立旭中小学校の3,4年生5名が授業の一環として工場見学で来園されました。ジュースの工房、ワイナリーを見学して教材を使って様々な加工品と原料などの学習をしていただきました。事前学習や質問も用意してきており、立派な子供達でした。全校児童は17名の小規模校ですので、3年生は男子1名でした。T

見学で来園

8月26日、北海道中小企業家同友会富良野地区会のメンバーが見学で来園されました。メンバーの中には飲食関係者も数名おり、当ワインへの関心も高いようでした。今回は上富良野の会員企業訪問ということで、駆け足での訪問でした。T

初めての混醸ワイン

8月27日、初めての混醸ワイン、「122田園ブランES」をリリースしました。混醸ワインは、収穫後、仕込みの段階で数種類のぶどうをタンクに入れます。香りや味等出来上がって見なければ分かりません。リスクの高い製法ということにもなります。このワインはシャルドネ、ピノ・ノワール、ミュラー・トゥルガウの3種類が入っています。テースティングコメントは、ミュラー・トゥルガウの草原のような感じとシャルドネの重厚さ、ピノ・ノワールによるチャーミングな要素がそれぞれ存在し、複雑性がある楽しいワインです。価格は4,840円(税込み)T

ガソリンの値段が上がり

8月に入って急にガソリンの値段が上がり始めました。8月17日の時点で1ℓあたり176円です。依然つづく円安傾向と国が元売り各社への補助を段階的に減らしているのが原因のようです。農作業でもガソリンはかなり使用します。草刈り機のガソリンをスタンドに買いに行くと、20ℓ3缶で1万円では足りませんでした。ちなみに缶に入れる場合は、ガソリンスタンドスタッフでなければ入れることできません。T

収納庫

4年前に建てた機械の収納庫が手狭になってきました。機械が増え続けているので収納にやりくりが必要です。よく言われているのは建ててからほとんどの人は狭くなり、初めから大きくしておけばよかったと後悔するそうです。T

床のカビ取り

今年は、お盆明けから35℃前後の高温が続きました。外での作業が厳しく、20℃位のワイナリー内で床のカビ取りを行いました。この期間の最高気温は36.4℃でした。ちなみに上富良野町の最高気温は昭和18年に記録した37℃です。T

新しいリーフレット

8月16日、新しいリーフレットが出来上がりました。製作はよつば舎のあべみちこさんです。今回は、かなりリニューアルして、畑の図面を入れました。このリーフレットでどんなところでぶどうなどが栽培されているかが一目で分かるようになりました。畑の図面は、近くに住む石の彫刻家山谷さんが旧西ドイツに在住していた時に入手したワイナリーを紹介する冊子を参考にし、デザイナーあべみちこさんに独自の感性で描いていただきました。温かみのあるたいへん、いいリーフレットになりました。T

ゆりの花

昨年、植えた5株のゆりの花が咲いています。デッキから見える位置にありますが、存在感があり、見ていて豊かな気持ちにさせてくれます。来年は、もう少し植えたいと思っています。T

編集後記

8月20日から一週間くらいは、記録的な暑さに見舞われました。町内の小中学校は2日間臨時休校になりました。かつて今まで一度も暑さで臨時休校したことを聞いたことがありません。農園もこの週はほとんど畑での仕事ができない状況でした。道外の夏は、このような気温が常態化しているようですが、とても耐えられない気温です。人間にとって厳しい環境ですが作物にとっても大変、厳しい環境です。今後、新たな対策が求められます。AIが答えを出してくれるのでしょうか。T

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