多田農園通信2023年2号

多田農園通信2023年2月号
多田農園通信2023年2月号
りんごのシードル

今年の仕事始めは1月9日からでした。翌日からシードル用のりんごの搾汁作業を行いました。りんご搾汁用の機械が無いので、小型の自動ジューサーを使用しました。手回しクラッシャーでりんごを潰してバスケットプレス機で搾汁する方法も試してみましたが、プレスが思うように働かず、搾汁率が大変、低いため途中で止めることにしました。やはり、油圧式のプレス機でないと搾汁率は上がりません。今回は、自社栽培リンゴ100%のシードルを初めてつくる機会でしたので何とか搾汁をしたいと思い、予定の2倍以上の時間をかけて小型自動搾汁機のみでコツコツ搾ることにしました。今年秋以降の課題となりました。品種は紅玉85%、 ふじ15%です。T

シードルの発酵

1月10日に仕込んだシードルが元気よく発酵を続けています 。液面は白い泡で覆われ健全な発酵がされています。タンクの上部に取り付けてある発酵栓はぶくぶくとガスが放出されています。ワインやシードルは、果汁に含まれている糖分を酵母が分解してアルコールに変えていきます。その際に酵母が出すガスを発酵栓から外へ逃がしています。ぶくぶくする活動が激しい時は酵母が一生懸命アルコール変えていることになります。T

ワイナリーの清掃作業

ワイナリーでは、床に黒カビが生えてくるので、清掃作業をしています。とくに床暖が入っているので、黒カビの発生率も高く成っています。ワイナリー内の温度調節はこの床暖により温度調整がなされて一定の温度に保たれています。福祉事業所の利用者さんが頑張って作業にあたっています。T

 


 

 

かみふらの軽トラ市

1月15日、軽トラ市でスイーツバイキングを開催したので孫と一緒に参加しました。場所はいつもの四釜農園の休憩所にしているビニールハウスです。女性役員のみなさんがたくさんのスイーツを手づくりしていました。10名ほどの会員が集まり、農閑期の冬のひとときを楽しく過ごすことができました。北海道の農業は春から秋まで大忙しで、体もこころもゆっくりできるのはこの1月だけです。2月に入ると畑は真っ白でも苗づくりのビニールハウス作業が始まります。当農園は、冬も加工などを行っているので、夏冬関係なく動いています。T

ペレットストーブ

1月30日の農園の最低気温はマイナス27.6℃でした。さすが、マイナス30℃近くになると外に出たら鼻の中の水分が凍りそうです。長靴で雪の上を歩くと「きゅきゅ」という音がでます。昔は小学校や中学校ではマイナス25℃で一時間遅れ、マイナス30℃で休みになりました。まだ、一般的には車社会ではなかったので、登校はみんな歩きです。しかも防寒衣は寒さを防ぐには十分ではありませんでした。教室の暖房も今は集中暖房で全体が暖かですが、当時は丸型の石炭ストーブが前の方に一台あるだけでした。ストーブの近くの人は熱くて遠い人は寒くて震えていました。我が家は一昨年、ペレットストーブにしました。火力が強くて20畳以上の部屋の暖房ができます。おまけに2階にも熱がいくのでかなりの能力です。しかも、原料が木ですので木が生育過程の光合成で出す酸素の量と薪やペレットなどを燃やした時に出る二酸化炭素の量がほぼ同じなことからカーボンニュートラルと言われています。T

砂澤ビッキ展

1月14日、札幌にある道立近代美術館に行ってきました。11月から1月22日までの2か月間、北海道の彫刻家、砂澤ビッキ展が開かれており、写真家の基さんと一緒に行ってきました。砂澤ビッキ展は、洞爺湖畔で常設されているのを1年ほど前に観に行ってきましたが、今回の展示会は、今まで未公開の作品が8割以上あり、美術館いっぱいに展示されていました。砂澤ビッキは、30数年前に57歳で亡くなっていますが、木を使った彫刻を独学で学び生前、多くの作品を残しました。たいへん見ごたえのある作品ばかりで、来館者も多くいて関心の高さを物語っていました。この日は、開催中、一回だけのトークショーがあり、前半だけ聞くことができました。200人定員に満席の状況でした。トークショーは、砂澤ビッキの奥様の涼子さんと生前のビッキの写真を撮っていた写真家の渥美さんと学芸員の3人でした。作品は大小200点近く展示されており、少し駆け足で見ても1時間半はかかりました。この日は暖気になり、雪のある道路は少し融けて大変滑りやすくなっていて、道路事情がいい国道と高速道路を使って往復しました。砂澤ビッキの奥様の涼子さんは上富良野に別荘があり、来町することも多く、その際、来園されて私たちとも交流があります。最終日の1月22日には、再び妻と観に行ってきました。2回目は、さらに深みを感じる作品でした。T

ビッキの写真
サラサラの雪

北海道富良野地方の雪質はパウダースノウと呼ばれるサラサラの雪です。雪が降って車の上に積もった雪も初めて迎えた北海道の冬の孫も雪よけブラシで車に積もった雪を払っています。すっかり、雪国になじんできています。また、1月28日には、この冬一番の寒気で最低気温がマイナス23℃でした。3年に一回はマイナス30℃になる場合があります。現在の道内のほとんどの家は、断熱材や暖房が良くなっており暖かです。外での移動もヒーターで温められた車がほとんどです。道外では、寒波が来て水道管の凍結などが多発していますが、北海道では凍結対策も進んでおり、大きな問題にはなりません。T

編集後記

やはり1月は長く感じます。2月は逃げる、3月は去ると言われているように2月、3月はあっという間に過ぎていくのが常です。まもなくロシアがウクライナに侵攻して一年を迎えます。また国内でも訳の分からぬ強盗事件が多発しています。先日は国内の学校に脅迫のファックスが多数届き、学校や社会の不安を煽っています。多くのつつましく真面目に生活している人々の生活が脅かされる理不尽さにやるせない気持ちにさせられるのは私一人ではないかと思います。30年後には、80億人の人口が100億人になると予測されていますが、食料はどうなるのでしょうか。日本のように食料を63%以上も海外に依存していて、お金で買えない時代が来たらどうするのでしょうか。子供や孫の時代が心配 です。T

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