多田農園通信2022年6号

多田農園通信2022年6月号
多田農園通信2022年6月号
おもてなし朝食

今年のプチペンション田舎倶楽部の営業が4月29日から始まりました。ワイナリーと宿泊施設という組み合わせは、全国的にも少ないそうです。夕食は、七輪を使って炭火で焼くバーベキューです。肉は、地元産の豚サガリ、野菜は無農薬栽培の多田農園産がメインで、ご飯のお米は有機栽培のゆめぴりかです。朝食は、手作りのおやきで具材は、切り干し大根、じゃがいもと豆、かぼちゃ、りんごのコンポートと4種類です。小麦粉は地元産のきたほなみ、切り干し大根は農園で自然栽培した大根を乾燥機で乾燥したものを使用し、じゃがいも、かぼちゃは無農薬栽培です。りんごも自家栽培ですが残念ながら無農薬栽培ではありません。りんごの無農薬栽培は大変リスクが高い栽培です。朝食時にお客さんの3歳の男の子が野菜を全部食べてお母さんが驚いていました。普段はほとんど野菜を食べない子だそうです。T

朝食の様子
種まきと定植
じゃがいもの種まき

5月11日、じゃがいもの種まきをしました(写真❶)。面積も少ないので全部手作業で行いました。品種はさやあかね、きたあかり、メークインです。全部肥料も入れずに自然栽培で行う予定です。特にさやあかねの種イモは、昨年、阿寒町の勝水さんからいただいた固定種を栽培して収穫したものです。T

アスパラの定植

5月20日、アスパラの定植を行いました(写真❷)。この苗は4月にポットに移植してハウス内で育てたものです。外気温も20℃超えの日が多くなってきましたので、約1,000本の苗を広い畑に定植しました。このアスパラの収穫は3年後で、それまで、管理して育てていきます。

かぼちゃの定植

5月21日、かぼちゃの定植を行いました(写真❸)。かぼちゃは、霜に遭うと大きな被害を受けるので天気予報を見ながら露地に植えます。おやきの餡とかぼちゃスープ用と自家用なので50本くらいで間に合います。味の美味しい栗系の品種を植えました。10年前までは、もっと多くの面積を栽培して東京の大田市場に出荷していました。かぼちゃは種まき、苗づくり、定植、摘芯、除草、収穫、キュアリングといってへたの部分を乾燥させるため風乾します。そして磨き機にかけて磨いて大きさで6種類に選別して箱詰めして出荷になります。かぼちゃは一見簡単そうに見えますが、実際市場に出荷するとなると結構手間暇がかかる作物です。T

春やさい
ミニ赤大根

5月8日、3月下旬に宇都宮から来ていた孫がハウス内で播いたミニ赤大根が食べごろを迎えたので、収穫して送りました。発芽した時や生長途中の写真を送っていましたが、現物も送ることにしました。孫は何を感じてくれるのかなと思います。ベビーリーフやちょうどアスパラの露地物が出始めたので一緒に送りました。T

グリーンアスパラ

5月9日から今年のグリーンアスパラの収穫が始まりました。面積は昨年同様、小面積ですので注文の案内も昨年のお客様にだけ案内しました。今年は、土壌水分も多く、気温も高くなってきたので、一斉に芽を出し伸びてきました。アスパラは気温が高くなるとみるみるうちに伸びて一日に2回畑を回らなければなりません。ちょっと油断するとアスパラの頭の部分に花が咲き始めます。無農薬、無化学肥料栽培でお送りしたお客様からはいつも美味しいと言っていただけるのはうれしい限りです。我が家の食卓にも規格外のアスパラが頻繁にでます。規格外と言っても味は同じです。露地アスパラは、風によって土に叩かれるとアスパラの表面が傷ついて曲がってしまいます。極端な気温の変化でも曲がります。自然界の出来事ですので、曲がるのは当たり前です。しかし、市場では厳しく選別しなければなりません。野菜の規格はだれが決めたのでしょうか?T

弘津ヴィンヤード

5月15日、余市町でワイン用ぶどう栽培を専門に行っている弘津ヴィンヤードの弘津さんが来園されました。弘津さんとは数年前、札幌の京王プラザホテルのワインのイベントで共に出店していたときに知り合いました。ワイン用ぶどう栽培者としては篤農家でしかも大変、親身になってアドバイスをいただいています。今回も長梢剪定された枝から発芽を促す弓形にする栽培法でその後の管理について相談したところ片道200㎞ほどある道程にもかかわらず、畑を見に来てくれました。その他の栽培技術も懇切丁寧に教えてくれました。本当にありがたいことです。T

5月のぶどう畑
除草は手作業

ぶどう畑では除草剤を使用していませんので、全部手作業で除草しています(写真▲)。2年目のぶどうはまだ小さいので雑草をできるだけ取り除かなければ草の根にぶどうの根の生長が阻害されて順調に生育することができません。福祉事業所のみなさんが一生懸命、除草作業に汗を流していただきました。T

芽欠き作業

5月30日からぶどうの芽欠き作業を始めました(写真▼)。いつも、手遅れになり開花期まで延びてしまうことが多かったので、今年は早目にスタートして女性スタッフ2名も加わっていただきました。芽欠きは前年秋の剪定により大きく左右される作業です。ぶどうの樹も年々、シンプルになってきており今年はかなりやり易い状況です。発芽も良好ですが、1週間前の雹の被害がどの程度出るかが心配です。T

ぶどうの芽欠き作業
ワインのボトリング

5月25~26日、2021年産4種類のワインのボトリングをしました。バッカス、ミュラー・トゥルガウ、ピノ・ノワール白、オレンジワインです。オレンジワインはシャルドネが原料で初めての製造になります。本数も350本と少なく、特徴的でいいワインになりました。販売は6月中旬を予定しています。T

農業体験
札幌市立北野中学校

5月24日、札幌市立北野中学校から2年生9名が宿泊研修で農業体験をしました(写真▶上下)。雹の被害で傷付いたアスパラの刈り取りや、レタス、キャベツの定植を行いました。T

大阪園芸高校

5月29日、大阪園芸高校から男子17名が農業体験をしました(写真▼)。あいにく前日に雨が降ったため、体験は限定されましたが、園芸高校で果樹も栽培しているとのことでりんごの摘果を体験していただきました。その他、バッテーリー式の刈払機で草刈り体験や、フットパスで地域の様子を体で感じとって頂きました。T

農業体験
ワインショップ

5月14日、ワインショップの引越しをしました。ショップの面積は同じですが、断熱材がワイナリーと同じく分厚く入っており、温度変化が少ない構造になっています。壁は、阿部路子さんにぶどうの樹を描いていただき、15メートル分の地層のサンプルも展示しました。また、窓からワイナリー内を見ることができます。5月21日にはエアコンも設置して新たなドアも付いたので外観も変わりました。T

白樺の伐採

5月7日、農園の庭にある2本の白樺の伐採を行いました。この白樺は、50年ほど前に父が庭を造るときに植えたものです。元々は、稲の苗床で肥沃な土地に植えられていたので、大変,大きな樹になっていました。しかし、数年前に電線と枝が接触して北電に頼んで大きく生長した枝を切ってもらいました。その後は、太い幹のみ残され樹はぼけたような状態になり、倒伏の危険性があったので、切ることにしました。いつも伏流水を汲みにきている写真家の基さんがチェンソーを使って伐採しました。フォークリフトやトラクターを利用しながら安全に十分配慮して無事、切り終えることができました。T

編集後記

5月下旬は天候が不安定で、とくに5月23日は積乱雲が発生して雹が降りました。天候が急変して逃げる間もないくらいの速さで一気に強風とともにゲリラ的な豪雨が短時間降り、その中に混じって雹が降りました。大きさは米粒より一回り大きい雹でしたが、ぶどうの葉が傷つき、アスパラも傷だらけでした。ぶどうは花芽が出ていたのでどの程度の影響かはまだ分かりませんが、少ないことを願っています。温暖化の影響を実感する出来事でした。過去にも風水害の大きな被害を幾度となく受けてきておりますが、自然の力の大きさの前では人は無力だとあらためて感じさせられました。T

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