多田農園通信2022年5号

多田農園通信2022年5月号
多田農園通信2022年5月号
ぶどうの春作業
ぶどうの枝上げ

残雪が所々に残る中、4月4日からぶどうの樹の枝上げを始めました(写真▲)。4月に入って畑の積雪がかなり解けてピノ・ノワール2007年の畑から始めました。気温も10℃を超えて作業もやりやすい気候になってきました。これから2022年のぶどう作りがスタートすることになります。T

ぶどう畑作業
初の弓形誘引

ぶどう畑で今年、新たな作業が加わりました。長梢剪定された枝を弓形に誘引して発芽を促すようにしました(写真▲)。長梢の場合、養分流れは先端の方が強くなり中間までは発芽しづらくなります。そこで弓形に誘引することにより枝先への養分の流れをセーブして平均に養分が流れるようにします。初めての試みですが、うまくいくことを願っています。T

りんごの剪定

りんごの剪定をしました。今年も花が咲く花芽がたくさんついていました。りんごの剪定は、毎年、私一人でしていましたが、今年は、4月から農業をするため戻ってきた娘と行いました。りんごの剪定は、全体を見て剪定枝を決めていくプロセスが好きなため楽しい仕事です。T

アスパラの苗

4月9日、グリーンアスパラの苗1000本を小学一年生の孫も手伝ってポットに移植しました。種まき用のマットといわれるものに種を蒔いて育てた小さな苗を直径10cmほどのポットに移植してハウス内で大きく育てて畑に移植します。種まきとマットによる育苗は、取引先の種苗会社でしていただきました。畑に移植してから3年後の収穫になります。今後ワインとのペアリングで有機野菜を提案していきたいと思います。T

にんじんの種まき

4月20日、人参の種まきをしました。今年は例年より少し早目に種まきをしました。品種は、昨年同様の愛美という品種です。有機質肥料と微生物が大量に入った堆肥など自然由来のものを施用しています。耕起もトラクターに装着したロータリーで3回耕しました。土壌条件も良く砕土がいい状態で行われ、種まきの環境としては良好でした。順調に生育すれば7月下旬には、収穫できる予定です。昨年の人参は高温干ばつで収量が少なかったため、加工品の無農薬にんじん搾りの在庫があと僅かになっています。出来るだけ早く収穫して端境期を最小限にしたいと思っています。T

機会によるにんじんの種まき
新ワインショップ作り

ワインショップの場所を変えるために工事をしました。ワイナリー内にある従業員用の事務所をショップにすることにしました。新たにドアを取り付けて床はテラコッタタイルを敷きました。4月29日にはデザイナーのあべみちこさんにぶどうの壁画を描いていただきました。ちょうど、この日はコテージ横を整地するため、ぶどうの樹を抜き取りました。あべみちこさんは、初めてぶどうの樹の根を見たそうで、よりリアルに根を描いていました。T

ワインショップ入口
オレンジワイン

4月24日、2021年産のオレンジワインの試飲をしました。このオレンジワインは、シャルドネのオレンジワインです。仕込み時に除梗して粒ごとタンクに入れて発酵させます。シャルドネが写真のようなオレンジに変わるのは不思議でした。味も香りも今まで造ったワインにはない独特な味でした。私は好きなワインです。5月下旬にはボトリングする予定です。本数も少量ですので貴重なワインになりそうです。T

オレンジワインの試飲
農園ピアノ

自宅2階に置いてあったグランドピアノを下ろして、朝食会場になっているファームカフェイルベーベに入れて、農園ピアノとして利用することにしました。このグランドピアノは、30年以上前に子供たちの練習用に中古で購入したものです。しかし、子供達が高校生になってからは家から離れたため利用されず、2階の6畳一間を独占していました。2階からでしたので旭川のピアノの運搬業者さんに頼んで下ろしました。農園ピアノは、宿泊やワインショップのお客様に弾いていただければと思っています。また、知人からギターを譲り受けたので一緒に置いて自由に弾いていただきたいと思っています。街角ピアノや駅ピアノ、空港ピアノなどはありますが、ネットで調べたところ農園ピアノは出てきませんでしたので、ネーミングとしては初めてなのかもしれません。T

ピアノ移動
おやき

今年も宿泊のお客様の朝食用のおやきづくりをしました。定番のかぼちゃ、じゃがいもと豆に今年は、切り干し大根が新たに加わりました。切り干しは、農園の自然栽培の大根を乾燥させてつくったものです。また、小麦粉も今年から地元上富良野の農業法人興農社さんのきたほなみを使ってみました。中力粉で蒸し上がりも大変良く、今後は、この小麦粉を使用することにしました。今年の宿泊の営業は4月29日からです。T

朝食用のおやきづくり
入学

4月7日、名古屋から3日前に来た孫娘が農園と隣接する東中小学校に入学しました。全校児童20数名の複式学級の小学校ですが、なんと今年の入学児童は10名と近年にない二けたの入学でした。今年は29名の全校児童のようですが、教職員は13名もいます。まさにマンツウマンの体制です。過去に学校の授業や学芸会などを見る機会がありましたが、大規模校と違って全員が主役になっていました。自然のなかで伸び伸びと子ども生活を送ってくれることを願っています。T

山わさび

今年も山わさびの季節を迎えました。昔は田んぼの畦にいっぱいあったのですが、毎年、畦をあらしながら根こそぎ持っていく人が絶えず、ついになくなってしまいました。その後、知り合いの方が山わさびの根を持ってきてくれたので畑に植えて少しずつ増やしていきました。採るときは根こそぎ取らず、来年も出るように根を残して採っています。山わさびはすりおろして少し醤油をかけて炊き立てのご飯と一緒に食べると最高です。T

編集後記

ぶどうやりんごなどの果樹づくりは、雪解けから一か月が春作業のピークになります。4月30日にそのピークが終わりました。6月に入ると芽欠き作業が20日以上続きます。そして10月の収穫、仕込みはもっとも緊張と仕事量も多くなり、11月には剪定作業がひと月近くかかります。作物づくりは、種類によって作業ピークはさまざまです。日々変化する生育過程で的確な作業を施さなければ、大きなダメージにつながってしまいます。いかにタイミングを見極めるかが重要であるかはいうまでもありません。農業技術の伝承の難しさは画一性のないなかでの対処方法です。T

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